BLOG 住宅のコラムとニュース

2014年08月24日

新築一戸建の需要減は想定の範囲 住宅購入支援策は拡大方向

景気減速でいつも住宅購入支援策

注文住宅の着工件数が減少しているのには理由がある

6月の木造軸組戸建住宅着工、「持ち家」一昨年対比で7・4%減。
(住宅産業新聞社からのニュース)国土交通省がまとめた「住宅着工統計―月次―2014年6月」に基づき住宅産業新聞社が独自集計した、当月の木造軸組工法戸建住宅の全国着工戸数(丸太組構法戸建住宅を含む)は、前年同月比12・1%減の2万7346戸となった。 同戸数は、5月対比では12・7%増、12年6月比でみると1・3%減の増減率となる。

全国着工戸数のうち注文住宅着工の指標となる「持ち家」の全国戸数は1万7139戸で前年同月比19・1%減、5月比11・4%増、12年6月比7・4%減。 その実需動向の増減率の把握は、季節要因が同じで、駆け込みの特殊要因がなかった12年6月対比の7・4%減をみるのが適当で、「当該減少率をもたらした背景としては、住宅1次取得層の母数減と、駆け込みの反動減の2つがある」(市場アナリスト)。(引用おわり)

一番落ち込んでいる分野は、主要ハウスメーカーの主力商品である注文住宅(規格注文住宅も含む)。住宅1次取得で初めて新築を建てる方や、古くなった家を建て替える方注文住宅を購入されます。駆け込み重要が多かった世帯所得の多い分野で、ローン控除など、住宅取得のための負担軽減措置が比較的恵まれていたセグメントでしょうか。山高ければ谷深しということなのかもしれません。

6月の住宅着工戸数

新築戸建の需要減は想定の範囲。でも、なぜ大騒ぎするのだろう?

上のグラフは季節調整済みの住宅着工件数です。
新築重要が落ち込んでいるといっても、リーマンショックから2014年6月までを均(なら)すと現在は平均値くらいで、想定の範囲でしょう。しかし、最近、次のようなニュースがよく流れます。「住宅業界としてかなり厳しい状況になることが予想されており、早急な支援策を求める声が強まっている」。昨日のコラムで取り上げた、“住宅購入資金の贈与税非課税制度 2015年度から拡大か”も住宅支援策の一環です。消費税増税10%への再増税はほぼ確定(っていうか、経済学者の高橋洋一氏がコラムに書いていました。次の再再増税に向けて、すでに関係者への根回しが始まっていると)しており、さらに新築購入者への支援が拡充されるのかもしれません。

住宅受注が減少するとこの業界はいつも国に支援を求めます。
そのロジックはこうです。住まいは裾野が広いため、建築数が減少すると経済全体に波及する影響も大きく、この分野の需要を喚起しなければ、景気がさらに減速する。だから税金で支援して欲しい。軽くおどしが入ります。だれに向かって声を上げているのか。国民です。出す側もオネダリする側も、国民のお金を使うため、「放置すると景気が悪化する」というような理由づけがいるわけです。「しゃあないなぁ」、国民の同意がいるのです。ちょっと甘えすぎだと思いませんか? 今まで、国が深く関与しすぎてきたのかもしれません。本当は、税金を使わずに、競争の原理を働かせて、自助努力で住宅価格を下げる努力もできたはずです。だいたい国が業界に干渉しすぎると競争しなくなります。過去の産業が衰退してきた理由の一つでしょう。

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