BLOG 匠建枚方 新築ブログ
木材高騰による当社の建築価格への影響
木材高騰は世界的な住宅需要の回復と金余りが主因
木材価格が1年でアメリカでは5倍に高騰しています。「ウッドショック」といわれています。上のグラフは、アメリカのシカゴ先物「木材先物の価格」です。ご覧のように2020年中ごろから急上昇しています。毎回、世界的な金余りが起きた時には、「株式市場への投機」→「不動産市場への投機」→「商品市場への投機」、このサイクルでお金が流れます。
材木先物が急騰している背景は、米国の住宅需要が回復基調にあったところに、コロナの猛威により、世界的に持ち家需要が喚起されたこと。それに気づいた投機家が先回りして材木先物に資金を投入したことが要因だと思われます。
輸入木材率6割以上の日本でも影響が出始めています。「木材価格が13年ぶりに高騰!住宅価格の上昇、着工遅れも」
材木価格高騰による当社の建築価格について
昨日(2021/05/19)、当社の仕入れ先の材木業者さんが、2回目の価格交渉に来られました。
木材問屋では、すでに木材不足で仕入れが半減している状況。その影響から建売分譲業者の中には、建築をストップしている会社が出始めているようです。また、ハウスメーカーについては、30~100万程度値上げが始まっているそうです。
当社でも、1回目の価格交渉で、5月初旬より材木の仕入れ値が上がっています。ただ、建築価格には転嫁してきませんでした。木材需要の拡大は世界的に広まり、輸入価格の上昇により、2回目の値上げ要求も飲まざるを得ない状況です。この2回目分からは、心苦しいですが、この春の住宅設備の値上げ要求を了承した経過もあって、契約者さまにご負担をおかけするしか、会社を長く継続する道がないと判断しています。
当社は以前から、薄利で耐え忍び利益をお客様に還元、建坪単価を最小限に抑えてきた経緯がございます。昨日投稿したお客様の声を参考に「贅沢してほぼ予算通り!そんな安くて注文住宅建てれるのって聞かれました」
ただし、契約済みのお客さまには値上げ分を反映いたしませんので、ご安心ください。
今後の木材輸入状況しだいでは、注文住宅を順調に提供することが難しくなる可能性がありそうです。他社さまも同じ状況だと聞いています。
年末にかけての日本の住宅価格について
材木業者さんの話では、年末にかけて、建坪30坪の家で、仕入れ価格が100万円以上値上がりするかもしれないとのこと。現在、木材組合、住宅組合が、輸入量を増やすように国に働きかけているようです。この業者さんも「昨年比で売り上げが半減していて、僕たちも赤字です」と、なす術がない輸入木材市場を目の当たりにして、涙目で状況を説明されていました。
木材価格が沈静化→値下がりするには、コロナの猛威が収束することが必要です。でも、ワクチンへ世界的にお金の流れが向いていることを推察すると、コロナの影響はしばらく続きそうです。
結論:材木価格の値上が、しばらくの間つづき、建築コストが上昇。その結果、住宅価格の値上げが継続しそう。また、中古住宅への波及効果があり、不動産中古市場も在庫が減少。強気の売主さんが増えそうです。