BLOG 匠建枚方 新築ブログ
国家資格のない営業マンが設計した家に住みたいですか?
【住宅業界あるあるシリーズの第一回!】
ふつう家を建てるのも、買うのも、一生に一度か二度でしょう。
多くの住宅購入者は、住宅や住宅会社に対して理解をされていないのは、しかたがないことです。特に、住宅会社の業界事情には無頓着なようです。
住宅業界では「営業担当者が設計する」ことはよくあります。人件費を省くためです。つまり、設計の専門職でない、営業さんが設計する事情は、「利益をねん出する手段」なんですよ。お客さまが安心・安全に暮らすためではないのです。このことは、これから住宅会社を選ぶ方にとって重要な意味をもちませんか!
本来は、国家資格を取得しているのは当たり前、そのうえ、期待に応えられるレベルの建築士が設計をおこなうべきでしょう。そう、「お客さまの期待に応えられるレベル」が重要なんです。
一級・二級建築士でも、間取りをまともに書けない設計士は多いでしょう。設計は経験とセンスがものをいいます。車の運転技術の差は大きいじゃないですか。運転免許の資格を取得していても、ペーパードライバーはいらっしゃいます。その横で、のんびりドライブできますか?これと同じで、建築士もレベル差が大きいのです!!
住宅の営業さんが、期待に応えられるだけの間取りを書けるのでしょうか?もちろん書ける人もいますが、実態は・・・。
ここで重要になってくるのが、営業マンがつくる間取りのクオリティはどれくらいなのかという点です。家を建てる方にとってはけっこう重要な情報ですが、このことはどの本やサイトにも書かれていないので謎となっています。果たして営業マンがつくる間取りはどんな感じなんでしょうか。あくまで私の経験上ですが、「有り」だと思える納得の間取りを作れる営業マンは、10人いれば1人か2人くらい。その他は「うーん」と唸ってしまうことがほとんどです。(出典:営業マンの作る間取りと設計士が作る間取りの違い)
また、最近分かった事実として、ハウスメーカーの設計士さんの中には、提案間取り(初回提案)を書けない人も多くいます。10人の設計がいたとしたら8人は書けない(書かない)人たちだと思ってもらえればと思います。では、ハウスメーカーさんにある設計部門は、お客様と営業マンさんがまとめた図面を実際に構造として建てられるかどうか、その微修正をしている事が殆どなんです(出典:ハウスメーカーの間取り提案は営業が書いてる??)
精度の高い設計が書ける営業担当者は「20人に1人もいない」のが、20年以上設計してきた私の実感です。
たとえば、間取りが書けたとしても、施工に支障がでる場合がよくあります。部材をどう組み合わせて、合理的に美しく納める(※1 )のか。大工さんとの上棟前打ち合わせでよく出る発言が、「これ、どうやって納めんねん!」。この時、大工さんの顔が険しくなります。「施工のことも考えて、しっかり図面を引いてくれや」という設計士に対しての意思表示でしょうか(笑)
「間取りは書けても、施工までは配慮できないよ~」、設計の経験が浅いほど起こります。このような障害は、大工さん、プレカット屋さん、施工管理者、建築士が頭を悩ましながら、多くは解決できますが、場合によって、当社は図面を書き換えることもあります。
一般的な営業さんが、「適切な壁の配置」を考えられるでしょうか?
熊本地震では、耐力壁の配置不備、接合部の施工ミスが要因になり、大勢の命が奪われました。
人件費を省くために「営業マンが間取りを書く」という問題は、「ハウスメーカーあるある」だそうですが、他にも「利益重視の会社」ならよくあることです。
結論!!割増料金を支払ってでも、「期待に応えられる建築士に、設計を依頼するのがベスト」だと私は考えます。お金は大切ですが「命には代えられません」ので。
当社は現在、社員は17名です。その中に一級・二級建築士あわせて9名が在籍しています。設計や施工の専門性を高めるためです。社員の半数が建築士を取得している工務店。「全国的にも例がほとんどない」のではないでしょうか。
※1 <納まりとは>
部材の取り合いや取り付け具合、落ち着き具合、仕上がり具合、などを指します。納まりが合理的で、きれいな取り合わせになることを、「納まりがよい」と言います。(出典:住宅建築専門用語辞典 納まり)
(この記事は設計部の廣田が書きました)