BLOG 匠建枚方 新築ブログ
ローコスト住宅は安い?新築が安いという理由は二通り
ローコスト住宅で当初見込みより500万円も予算が増大する方がいらっしゃいます。
新築住宅の本当の価値を知っていてば、とりたてて問題はないでしょう。
しかし、新築の本当の値打ちに気づいていなければ、損失を被っている、ということになります。
広告宣伝では、建坪単価35万円と表示されていますが、実際、契約時には坪単価50万円にもなっていたということをお客さまから聞きます。
ふつうはダマされていると思いそうですが、優秀な営業さんが魔法をかけると、そんな住宅でも納得して契約されている方が大勢いらっしゃいます。
この場合は、建坪面積が35坪なら500万円も当社の予定より、予算が膨れ上がっったということになります。
建坪単価35万円を50万円で納得させる営業テクニック
100円均一の商品を10個レジにさしだし。「100円が10個で1400円(消費税抜き)です♪」と可愛いお姉さんに言われたら、吉本新喜劇ならズッコケます。
1000円のはずが1400円と言われたら多くの人は怒って帰るでしょう。
でも、(男性ならメアド交換をしたくなりそうな)レジの女性が優秀な説得話術のもちぬしだとしたら。「1400円でも安い」という価値情報を、身体をプルンプルンさせながら、あなたに説得するのです。納得して購入する場合も大いにあり得るでしょう。
住宅業者や不動産仲介業者のなかには、成績のよい営業社員と、ふつうの営業社員がいます。優秀な営業担当(会社からみて)は、坪単価35万円を、顧客に50万円で納得させてしまいます。
一般的な営業担当は、ローンの説明や仕様、またはモデルハウスを案内してキッチンまわり、バスルームなどの機能を説明します。お客さんはつぶやいているでしょう。「どこも似たり寄ったりやな」。
営業テクニシャンは顧客を想像の世界に引き込む
一方、できる営業マン(会社からみて)は、「お客さんは興味のある話しか聞いていない、記憶していない」という事実を知っています。何度も聞いているどうでもいい話はウザいだけ。だから無駄話はしません。
たとえば、お客さんにバリアフリーについて聞かれたら、こう質問するでしょう。「将来、お父様、お母様をお引き取りになられる予定ですか?」。
このようにお客さんが一番興味のありそうな質問を繰り返し、お客さんの心の中に入ってゆきます。そして、お客さんが重要なことだけについて、感情をまじえ、想像の世界で他社と差別化するでしょう。
お客さん本人が重要なバリアフリーについて、他の住宅会社では説明を受けていない場合。必然的に、その優秀な営業さんに心が惹かれてしまいます。
そして、坪単価35万円なら、と考えていた予算が、50万でも妥協されるようになるのです。しかも、バリアフリー対応の追加工事やオプションは別費用として計上されます。
こちらの記事でも書いたように、新築住宅の価値を判断するためには、やはり、演技をする住宅営業は会社の信用力を割り引く必要があるでしょう。
安いと感じる住宅会社のフット・イン・ザ・ドア戦略
このお客さんの事例では、もし広告に坪単価50万円~と出ていたら、ここで説明したローコストの住宅会社には訪れなかったでしょう。このように、最初は安く打ち出し、徐々に価格をつりあげてゆく戦略を心理学で、フット・イン・ザ・ドア・テクニックといいます。
※フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、依頼や交渉の際、相手が承諾しやすい要求から始めて、徐々に要求を大きくしていく話法のことで、小さな要求への承諾をステップとしながら、最終的に、こちらの最も望ましい要求を承諾するよう相手を導く。(コトバンクより)
あなたは、このように価格を吊り上げる(釣り上げる)住宅メーカーや住宅会社を、どう思いますか?
新築価格が安いのは二通りの理由がある
ローコスト住宅が安いというのは幻想です。
だいたい、ローコストといっても大手ハウスメーカーと比較して安いだけで、地場建設業者とか地元工務店に頼むのと値段は同じくらいですよ。むしろローコスト住宅の方が高い場合もあります。
ローコスト住宅にしても、大手ハウスメーカーにしても配管や基礎、配線工事とかは下請け業者がやりますし、その下請け業者次第で仕上がりは変わります。(Yahoo!知恵袋:ローコスト住宅がやたらはやっていますが、そもそも、こんなに安くなる理由って何ですか)
100均のバケツと、一般的な雑貨店のバケツを比べても、どちらが安いのかという答えはでないでしょう。
新築住宅で比較するのであれば、材料、住宅設備、仕様、品質、設計、サービス、付帯工事、諸費用・・・などを一定基準に統一して比べる必要があります。
もし、ハウスメーカー、工務店、パワービルダー、ローコストの基準を、上記のように均一にしたら・・・。「おそらく、新築価格の値段はそれほど変わりません!」
なぜなら、住宅に使う材料メーカーの寡占化がすすんでいるうえに、国の法規制で(悪い言い方をするば)仕入れ材料価格がコントロールされているからです。
【※寡占(かせん)とは、市場の形態の一つで、ある商品やサービスに係る市場が少数の売り手(寡占者、寡占企業)に支配されている状態のこと。 ウィキペディアから】
以上の理由で、新築一戸建て価格が安いという理由は二通りしかありません。
- 建築資材や品質、サービスの質を落としたり、本体工事から他の費用を分離している。
- 自社の利益を、価格や品質・サービス・その他でお客さまに還元している。
たとえば、大阪・京都で注文住宅をご提供している匠建枚方は、2番目の方法で利益をお客さまに還元しています。
利益を追求するのなら、他社と同じように、一般的な自由設計や規格住宅、パッケージ商品のほうが遥かに儲かります。注文住宅を提供する弊社の新築価格では、さして儲からないため、今なお、社内でも葛藤があります。
ですので、新築戸建て価格が安い理由は、1番目の方法がほとんどです。安いにはそれなりの理由があると言うことになります。